本日は当事者研究特別編でした!
当事者研究のパイオニア「浦河べてるの家」と連携する「base camp」の方々にお越しいただき、
総勢7名の方にご参加いただきました。
はじめに、名前、気分・体調、最近良かったこと・苦労していること、他の参加者さん達に知っておいてもらいたいこと、を簡単に自己紹介いただきました。
では、さっそく当事者研究へ!
本日は2本立てでした。
1つ目のテーマは「4月からの新生活について」。
現在4月からの就労に向けて頑張って準備しているところ。
ただ、過去に体験したいじめや、それに纏わる家族との関係、現在抱えている身体の不調のことを考えると、
事業所にきちんと通えるのか、休んでしまうのではないかと思うと動きが取りづらくなってしまう、ことについて話し合いました。
新しい環境に進むことを、「本当にそれでいいのか」、「本当にちゃんとできるのか」と、様々な予期不安が出てくること、
そうは言っても何かしらをして前には進みたいと思うので、4月を目処に準備をしていることなど、ご発表者さんの中にある葛藤をひしひしと感じられるお話をいただきました。
そこで、様々な予期不安を、当事者さんにやってくる「お客様」として役を立てて何名が選出しご発表者さんの後ろから囁いてもらい、そのお客様の囁きに対して自身の考えを返してもらう、という劇をする展開となりました。
お客様の囁きへの返しでは、「もし今後色々な不安があっても一つ一つ誠実に向き合えばいい、今までは大人に動かされてきたけど、これからは自分の感情で生きてそれを表現していきたい」と、ご発表者さんの熱い気持ちを伺うことができました。
新しいことをする、新しい環境に飛び込むことは容易ではないですよね。
今回、少しの怖さはあっても「自分の人生を自分の感情で動きたい」という熱い決心を聞くことができて、こちらも胸が熱くなり、大きな勇気をいただくことができました!
2つ目のテーマは「子どもと家族で気持ちの温度差がある」ことについて。
自身の子どもが過去にいじめにあってしまい、人を信用することができず家族以外とは話さないと言っている。
その中でも趣味や興味のあることは自身に話してくれて嬉しいが、長いと2-3時間話を聞いている時もあって、どこまで聞いてあげたらいいかわからない。
また、当人は誰とも話さず外に出ない生活に慣れてしまっているのかもしれないが、当人以外の家族は早く自立して欲しいと願っており、
家族間で気持ちの温度差が生じていて、どう向き合っていいかわからない、について話し合いました。
ご発表者さんがあまりお一人で考え込まないで欲しい、
お子さんの気持ちを無視することもできないのである程度は話を聞いてあげて欲しいが、用事がある時は話を途中までにしてしまってもお子さんもわかってくれると思う、
お子さんも何かしなくてはいけないとわかっていると思うし、当人のタイミングで外に出ようとする時もあるので信じて見守ってあげるのもいい、
などのご意見が上がりました。
また最後には、家族間で気持ちの温度差があるな、と思ってしまうご発表者さんの気持ちを「お客様」とし、ご発表者さん、お子さんの役を立てて劇を展開し、
そのやり取りを客観的にみたご発表者さんから「子どもなりに色々考えているんだろうな、もう少し焦らず関わっていこうかな」と言うご感想をいただきました。
毎日一緒にいるご家族さんからすると、なかなか当人に目線を合わせて気持ちに寄り添うことが、だんだんとぼんやりして見えづらくなってしまいがちですよね。
そういうときは今回のように、当事者研究でホワイトボードに書いたり、小さな劇をして、ご自身やその周辺を客観的に眺めてみると、何かに気がつくヒントがあるかもしれませんね。
今回はいつもより人数が少なかったのですが、その分、よりアットホームな環境で一人一人の意見をしっかり伺えて、より深い研究を進めることができました。
勇気を出してご発表いただきました皆さま、ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました!
3/4(水)の通常デイケアは13:00-16:00、週替わりプログラムは「絵月記」です。
2月の思い出を素敵な一枚の絵にしましょう♪
是非お待ちしております。
【今後の当事者研究特別編の開催につきまして】
次回の特別編は3/25(水)で予定しておりましたが、
新型コロナウィルス感染症拡大の状況を受け、中止させていただくことになりました。
参加をご予定をいただいておりました皆様には、ご迷惑をおかけ致しまして大変申し訳ございません。
4月の開催につきましては、3月末〜4月の初めに当院のホームページにてお知らせをさせていただく予定でございます。
ご理解の程、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
精神保健福祉士
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