花の盛りもいつしか過ぎ、春雨の降る日が多い今日この頃ですね。
本日のデイケアは初めてご参加頂いた方も含め、4名の方にご参加いただきました!
まずは連句から。
みんな生きているんだ!、乗り越えたいこの苦境、タケノコ甘夏カツオ、ねむい、
薄明光線 ボクのボクだけのノンフィクションストーリー と、それぞれの近況報告をいただきました。春らしい季節感のあるもの、ここ最近の心身の不調や気持ちの変化を詠む句が並びました。
本日の当事者研究では、日頃当事者研究で取り上げられることの多い「悩み事」というテーマから少し離れ、参加しているみんなに聞いてみたいこと」というテーマで話し合いました。
ご参加者の方々が挙げてくださったテーマは二つ。
一つ目は、「病気になって良かったことは?」です。
「同じ病気の人の気持ちがわかるようになった」
「病気になる前は、情報がないことで精神的な病気への偏見があった。自分の症状の理由が分かり、自分に対して優しくなった」
「自分と向き合う時間が増え、思考が深くなった。社会のレールの上に乗っていたときは、今よりも思考が硬く、柔軟性がなかった。人に対して優しくなり、思慮深くなった」
「こうでなければいけないという考えや周囲の考える“当たり前“ができない自分に葛藤を抱えてきた。今は『勝手に生きて良いんだ』と思えるようになってきた」
と、ご参加者お一人おひとりが、その深いご経験を丁寧に言葉にしてくださいました。
そんな中、自分の病気のことを周囲の人にオープンにするのか否か、という話題へと展開していきます。
ある方は、SNSなど活用しながらオープンにして、自分にとって大切なご縁の方とだけ繋がれること・相手に期待し過ぎないことで自分が楽になったと仰り、
またある方は、周囲の人には話をしていないが、そうすることで自分自身を大切にできたと仰りました。
オープンにする・しないという選択が大切なのではなく、
「その方にとって何が心地良いのか」を選択することが大切なのではないか、という素敵な発見がありました!
二つ目のテーマは、「普通の人への説明方法」です。
現在職探しをしている中で、全く知らない相手に自分の背景を含めてどのように説明したら良いかがわからない、面接でも理解が得られないことが多くてどうしたら良いか、というテーマを提供してくださいました。
話を進める中で、
一般就職(アルバイトも含め)でいくのか?それとも福祉就労を検討していくのか?という点が議題にあがります。
ご参加者さんそれぞれが豊富なご経験をお教えくださり、
一般就職で進めたご経験のある方は自分の病気のことは伏せて進めた。ただ、自分にとって苦手なことは選ばない、「自分が得意なこと」を選択するようにしたとのこと。
また福祉就労のご経験者のある方は、面接に支援者が同行して背景を説明しくれることがあったり、自分のことを理解してくれている前提で話が進んでいくことをお教えくださいました。就労移行支援A型、B型の違い、ご経験された仕事内容のこと、「特例子会社」での働き方についても話題にあがり、みんなで知識を持ち寄り、ふむふむ!と、とても良い勉強の場となりました。
当初のテーマであった、自分の背景を全く知らない人へどう説明するのか?ということに関しては、そう簡単には結論が出るものではないな、ということでまとまっていく中、
お仕事を探すことは「生きること」とも深く繋がっていて、仕事=社会との接点という意味で、皆さん感じることも、考えることも多いテーマのようでした。
「病気があっても、仕事がしたいと思う人に理解のある社会になってほしい」
「病気のある方に仕事を提供できるプラットホームを作っていきたい」
「仕事をする上で大切なのは誰とやるのか、どんな環境でやるのか、自分にとって心地良い環境のなかで循環できる生活をしていきたい」
と、社会の中でどんな風に生きていきたいのか、どんな希望を抱いているのかを話し合い、これからの活動の原動力になるようなパワーを互いに共有できた雰囲気でした。
そして、本日もあっという間にここでお時間いっぱいとなりました。
予定していた週替わりプログラムは来週へ持ち越しとなります。
次回4/20の週替わりプログラムはコラージュを行います。
皆様のお越しを心よりお待ちいたしております。
公認心理師
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